『ゴーストワールド』が見たい

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『ゴーストワールド』が見たい。

最近ほとんど映画館に行けていないから、1年くらい楽しみにしていたいくつかの映画を見損ねている。『キリエのうた』なんて絶対見にいくはずだったのに、いつの間にか公開が終わってしまっている。『首』も見たいが、このままだとずるずる先延ばしにしてしまうだろう。

それもこれも、映画館が遠いからだ。京都にいる頃には自転車を十分程度走らせれば出町座や京都シネマ、アップリンク京都にMOVIXなど、毛色の異なる映画館にすぐ行くことができた。まだ布団にくるまっているけれどあと30分で始まってしまう、みたいなことになっても、ちょっと慌てて顔を洗って適当な服に着替えて家を飛び出せば、なんだかんだ開演には余裕で間に合っていた。

それなのに、今は映画館が遠い。電車に乗らなければならないというのが本当にめんどくさい。仕事終わりにふらっと立ち寄るのもありだが、やっぱり労働は体力を使うので、どうにも気乗りがしなくなってしまう。そんなマイナスを抱えたまま映画館に行くのは義務みたいで癪だから、いつもトボトボと家に帰る。

しかし、『ゴーストワールド』はなんとしても見たい。どこで知ったのかは覚えていないけれど(雑誌かな?)、かなり前からいつか見たいと思っていた。

青春映画はいつだって正しいし、良い映画の温度感を一度経験してしまえば、寒々とした夜道が心地よい痛みに変わる。退屈な生活の中に持ち込まれるささやかな出来事がきちんと2時間の映画になるという事実を知るだけでも、僕たちが実際に生きている時間も映画みたいに輝くはずだ。

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七時半。いつもより三十分くらい前に目を覚ます。最初の予定は高田馬場で、引越しの手続きをすること。十時に着けばいいから、仕事のある日に比べて少し時間がある。しかし時間を無駄にするわけにはいかない。五分くらいTwitterを眺め、暖かいベッドから出る。 できる社会人の休日は、朝シャワーから始まる(昨日風呂に入らず眠ってしまった)。きれいになった体で、サクッと朝ごはんを食べて家を出る。 最寄り駅の近くで、スマホを家に置いてきたことに気が付く。ここで戻ると、約束の時間には間に合わない。しかしこまめに連絡を確認する必要もあるから、少し考えた挙句に家に戻る。 できる社会人は、しれっと約束の時間に遅れたりしない。きちんと詫びの言葉を入れる。 電車の中の時間を有効に活用できるかどうかが、生産性を左右する。読みかけの新書を開く。しかし集中できず、Twitterばかり見てしまう。そんなこんなで目的地につく。 契約を済ますと、そのまま友人と合流し、神保町のブックフェスティバルに向かう。多くの出版社が、在庫処分のためか、定価の半額くらいで本を売っている。高価でなかなか手を出せない専門書とかもかなり安く売っていて、どれを購入するか迷ってしまう。しかしできる社会人は意思決定が早い。躊躇せずに欲しい本を買っていく。お金がなくなる。引っ越しもあって、貯金はほとんど尽き果てているのに。 成果は四冊。特によかったのが、慶應義塾出版会のコーナー。秋草俊一郎の『アメリカのナボコフ』を購入。小津の研究書や、『なぜフィクションか?』というフィクション論の本も欲しかったが、流石に断念。 家に帰り、残った引越しの手続きをサクッと済ませる。夕飯を食べ、夜の読書会を行うと、もう十時になっている。 充実した一日だった。こんなことなかなかない。しかしどっと疲れた。昨日うっかり日記をサボってしまったから、大いに反省したい。ブックフェスは楽しすぎるが、お金を使いすぎるのでよくない。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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