結局思い出せない夢のせい

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これは日記に書くべきだという興味深い夢を見たのだが、やたらに早くかけ過ぎた目覚ましの反動でしっかりと寝落ちしてしまい、スッキリと目覚めた今ではもう何も覚えていない。下着がぐっしょりと汗で濡れているので、良い夢ではなかったのだと思う。うーん。結構ストーリーのある長い夢だったのだけど。

思い出そうと思ってデスクから離れてコーヒーを淹れてみたりするが、やはり何も思い出せない。たかだか二時間前のこと。夢ってそう言うものさと言われればそれまでだが、こんなに短い時間で忘れてしまうと少し嫌な気分になる。うーん。

そんなこんなで時間を使ってしまい、結局思い出せない夢のせいで朝の貴重な時間を空費してしまう。

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目が覚めたら部屋の中はどんよりとした灰色で、朝にならぬうちに起きてしまったのかと思う。しかし外から聞こえてくる雨の気配がその理由だと気づき、慌てて体を起こすと、家を出る時間までもう三十分とそこらしかない。慌てて日記を書き、コーヒーを淹れ、適当な服を着て準備を整える。忘れ物はないかとポケットをパタパタと叩き、靴を履いて玄関の扉を開ける。 傘がない。 細かい雨が地面に打ち付けるしとやかな音と、屋根の上で膨らんだ雨粒がぴちゃぴちゃと立てる収まりの悪い音を聞きながら、そういえばこの前雨が降った日、帰りには雨が上がっていて、そのまま傘を職場に置いてきたことを思い出す。エレベーターに乗り込んだ瞬間傘を忘れていることに気がついたくせに、まあいっかといつもの楽天さでもって引き返さなかった過去の自分を恨むも、雨が止むことも傘が戻ってくることもない。 雨はそんなに強いわけでもなく、このまま傘をささず、アメリカ映画の探偵よろしくコートの襟を立てて職場に向かってやろうかとも考えたが、その行為が似合うほどの頑強な筋肉も黒塗りの車も持ち合わせておらず、ただ貧相ななりをした男がびしょびしょに濡れたまま満員電車に乗り込む姿は滑稽に思え、近所のコンビニで折り畳み傘を購入して仕事へと向かうことにする。それが思いの外高額で、ならばちょっと洒落た傘を買う未来もあったのだと考えるとちょっと落ち込んでしまった。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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