ちゃんとした勉強

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新しく出た美学の入門書を数日前に読み終えた。

著者はバウムガルテンに関する著作で博士論文を書いた、井奥陽子さん。市民講座の講義をもとにした新書とあって、語り口も柔らかでとても読みやすい。

本書を通して一貫しているのが、美学にまつわる様々な概念が成立する過程を、「AからBへの移行」として捉えている点だ。一つ例を挙げれば、芸術家という概念は「職人から天才」へとその力点が転換したものとされる。芸術家=天才という定式が当たり前になっている現代という時代は、この思想史的な流れを意識することで相対化される。


この本を含め、美学にまつわる入門書を三冊くらい読んでみようと思っている。そのまとめも一つの記事にして公開したい。

しかしこの本にバウムガルテンの名が全く出てこないのにはびっくりした。ど専門を外した、ストイックな著述。なかなか興味深いですね。

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夜、國分功一郎の『中動態の世界』を読む。僕たちが当たり前のものとしている「意志」という概念を疑うところから始まり、その曖昧さが文法の規則——能動態と受動態——に端を発するものではないかとの問いを投げかける。かつて存在した中動態という態にこの問題を解決するための鍵を見出していくという本だ。 平易な文章で、好奇心をこれでもかと刺激する切り口からものすごく一般的な概念を考えていくのが面白い。しかしこの本は見かけのとっつきやすさに反して、論じられている内容はかなり複雑だと思う。例えば「言語が思考を規定する」のではなく、「言語は思考の可能性を規定する」という指摘。ゆえに言語中心主義(?)から離れて再び現実の世界を思考の場として設定することが可能となるわけだが、ここでは論がかなり抽象的な次元に入り込んでいる。 哲学的な思考で現実の問題(アルコール依存症とか)を考えていく本だと思って読んでいくと、途中で何を言っているのかわからなくなってしまうような本だ。まあものすごく面白い本であるわけだが。 読書をしていると心地よい睡魔が襲ってきて、そのまま勢いよくベッドに倒れ込んで電気を消した瞬間、その睡魔がどこかへと去ってしまい、じりじりと眠れない夜を過ごしてしまう——完全に覚醒したまま暗闇で色々な妄想をしていると、「眠れない時に寝ようとしないことが大切なんですよ」とかつてテレビで睡眠学者と名乗る誰かが言っていたことを思い出し、諦めて電気をつけて再び本を読む。そうこうしていると、そんなに長い時間が立たずとも睡魔は再び襲ってくるものらしい。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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