もう傘はなくさない

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目が覚めたら部屋の中はどんよりとした灰色で、朝にならぬうちに起きてしまったのかと思う。しかし外から聞こえてくる雨の気配がその理由だと気づき、慌てて体を起こすと、家を出る時間までもう三十分とそこらしかない。慌てて日記を書き、コーヒーを淹れ、適当な服を着て準備を整える。忘れ物はないかとポケットをパタパタと叩き、靴を履いて玄関の扉を開ける。

傘がない。

細かい雨が地面に打ち付けるしとやかな音と、屋根の上で膨らんだ雨粒がぴちゃぴちゃと立てる収まりの悪い音を聞きながら、そういえばこの前雨が降った日、帰りには雨が上がっていて、そのまま傘を職場に置いてきたことを思い出す。エレベーターに乗り込んだ瞬間傘を忘れていることに気がついたくせに、まあいっかといつもの楽天さでもって引き返さなかった過去の自分を恨むも、雨が止むことも傘が戻ってくることもない。

雨はそんなに強いわけでもなく、このまま傘をささず、アメリカ映画の探偵よろしくコートの襟を立てて職場に向かってやろうかとも考えたが、その行為が似合うほどの頑強な筋肉も黒塗りの車も持ち合わせておらず、ただ貧相ななりをした男がびしょびしょに濡れたまま満員電車に乗り込む姿は滑稽に思え、近所のコンビニで折り畳み傘を購入して仕事へと向かうことにする。それが思いの外高額で、ならばちょっと洒落た傘を買う未来もあったのだと考えるとちょっと落ち込んでしまった。

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しかし気がつけばもう2月になっており、2月用のアイキャッチを変更しなければならないのだが、ついうっかり忘れていた。 しかしこの日記は一応昨日のことを書く日記だからギリギリ言い訳は立つし、作る時間もアイデアも何もないので、とりあえずはそのままにしようと思う。しかしその言い訳を日記に書いている以上、やはりこの日記は今日のこと、つまりは2024年の2月のことを書いているのであって、その言い訳は妥当性を失ってしまう。 しかし、と続けたいところだが、ここで逆説を繰り返してもスマートな着地点がどうも見えてこないのでここらでやめ。 しかしまあ、あんまり面白くないですね。しかしそれは昨日がそんなに充実していなかったということですかね。しかし今日は頑張りたい。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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