(理想的には)写真のある生活

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何らかの引用と、それにまつわるエピソードを綴るエッセイを書いてみる。

くるりを聴きたい
言葉は転がり続け 思いの丈を通り越しうまく伝わるどころか 掛け違いのボタン 困ったな20歳の頃。志望する大学に合格せず、孤独を自分勝手に抱え込み、図書館で一人受験勉強をしていた時期があった。家族以外とは誰とも会話せず、Twitterを眺めて...

同僚がこの日記を読んでくれて、そうすることをおすすめしてくれたからだ。とはいえそれは日記という感じでもないから、ちょっと別枠を設けることにした。

タイトルは「不必要な引用」。本当は今日公開するつもりだったけど、思いのほか分量を書くことになりそうで、途中で断念。初回は堀江敏幸の『雪沼とその周辺』所収の「送り火」という作品について。


最近写真をサボりまくっている。生活の中に、写真を撮るという行為がなかなか定着しない。まあいいか。気がつけば日記は欠かせないものになったのだから、そんなに無理をしなくてもいずれ生活の中に写真が忍び込んでくるだろう。

京都タワーの比較。緑色は京都音博とのコラボレーションらしい。

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同僚から洗濯機を貰い受けることになったので、引っ越してから三ヶ月あまり、あとはガスコンロを購入すればこれで一通りの家具が揃ったことになる。 そういうわけで、昨日も何度目かのコインランドリーに行ったのだが、おそらくはこれが最後になる。無人の店とはいえ、どこか寂しさを感じないわけでもない。誰もいない店内で、一人衣服を放り込みながら、そんなことを考える。 いつも通り1000円の洗濯コースを選んでボタンを押すと、先にお金を入れてくださいと言われる。結局最後まで同じことを言われ続けてしまった。唯一財布に残された千円札を両替機に突っ込んで百円玉を拵え、それらを片手で掴みながら硬貨の投入口に一つずつ入れていく。十枚の百円玉を握りしめ、それらを落とすまいと掌に神経を張り巡らせるようなことは、もしかするとこの先一度もないかもしれない。 一時間が経ち、再びコインランドリーにやってくると、そこには今までみたこともないほど多くの人(といっても七、八人程度)がいる。洗濯が終わるのを待っているのか、それとも洗濯機が空くのを待っているのか。しかしそんなことはわかるはずもない。僕に内緒で引退セレモニーが企画されていたのだ。そんな妄想をしながら衣服を袋に入れていくと、薄いビニール袋が破れてしまう。僕はパンツや靴下を落とすまいと、良い匂いのするかつての汚れ物を抱え込み、一人トボトボと夜道を帰る。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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