誤字を見つけると嬉しい

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今週から、レフ・マノヴィッチの『ニューメディアの言語』を読み進めている。メディア論の新しい古典と称されることもある名著で、最近ちくま学芸文庫から復刊された。

原著は2001年出版。デジタル・メディアがちょうど世界を覆い始めた頃の議論で、新しい文化の形態を理論化したほとんど最初期の著作である。

ただ全く新興の文化を断絶として描き出す本ではない。むしろコンピューターの「画面」を過去の文化——印刷物や映画——との関連性から読み解く議論が展開されている。

本書の中で登場する具体例は2023年に生きるコンピューターに疎い僕にはほとんど馴染みのないもので、いちいち調べないと説明が理解できなかったりもする。その当時の新しさが、今では古さを感じさせるものになっているのは、よくあることだとしても結構面白い。

まだ読んでいる途中なので、特に何かをまとめたりはできない。ただ、誤字を見つけた。23ページの記述で、本当はロトチェンコと書くべきところがトロチェンコになっていた。こういうのに気がついたら、版元にでも伝えるべきなのだろうか。


今後はこのサイトを書籍のまとめを行う場としても使っていきたい。そしてそのまとめを、くだらない記事と連携させていく。ぼんやりと考えていることはこうまとめられるのだが、結局その試みがどうなるかは具体的に書いてみないとわからない。だからその一例として、本書をまずは緻密に読解し、その議論の応用可能性を探っていくのがとりあえず近々の課題になる。ゆくゆくは読書会とかを行いつつ、友人たちにも記事を書いてもらえるような場所にしたい。

昼食で職場近くのビストロでオムライスを食べた。塩麹っぽい味付けの唐揚げがついていて、美味しかった。

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職場の人とジンギスカン屋に行く。 そこではこんもりとした山型の鉄鍋に羊肉ともやしが載っているタイプのジンギスカンではなく、鉄網で羊肉を焼いていくスタイルの料理が提供されている。まあそれは焼肉というほかない料理で、ちょっと癖のある脂の旨みが香ばしく口内を満たしていくのが楽しい。 結構ガヤガヤとした居酒屋の雰囲気で、複数人で行くことを想定された店のつくり。その店内で端の方の席にひとりで座る三十歳くらいの女性がいる。油はね防止の紙エプロンを真っ直ぐに身につけ、一枚一枚丁寧に肉を焼いていく姿は凛としていて美しい。背筋を伸ばしてベストな状態に焼き上がった羊肉を玩味する彼女の耳には、だんだんと声の大きくなっていく僕たちや他の客の会話が聞こえているのだろうと思うと、僕はふとした瞬間に恥ずかしさというか情けなさを感じてしまう。 ひとりの人間の正しさに、集団は何をしても勝てやしない。でもお酒が入っていくにつれてそんな認識はどんどん薄れてしまい、結局僕は職場の人というグループの中で、集団であるがゆえの正しさみたいなものを身に纏っていき、ある種の傲慢さでもって振る舞うようになってしまう。 気がつけば彼女の姿はもうない。おそらくはエプロンを畳んで店を出たのだろう。そんなことを勝手に想像しながら、彼女に張り合うため僕も退店時にエプロンを綺麗に四つ折りにしてやろうと決意をしたのだが、その薄い紙の記憶はいつからか綺麗さっぱりなくなってしまっている。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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