眠ったはずなのに眠れない朝を迎える

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朝の4時半に目が覚めてしまう。窓から差し込む光は青く、夜の名残が部屋中を覆っている。

確かに前夜寝たのは23時くらいで、いつもより早く目覚めることを期待していたが、これはやりすぎだと思う。明らかに睡眠時間は足りていないが不思議と眠気はなく、朝のうちにやりたいこともたくさんあるし、このままベッドから起き上がってしまうのがいいかもしれない。

でもこんなことはあまりないので少し不安になる。冷静に自分を観察してみると頭はやはり重いような気がするし、どちらにせよ立ち上がるのは億劫だ。

今後の方針を決定できないままじりじりと時間だけが過ぎていき、ようやくもう一眠りすることを決意して目を閉じた時には窓の外は完全に朝を迎えている。あんまり眠くないなと思いながら無理やりこじ開けた夢はひたすらに長く、眠っていたのは二時間足らずなのに起きた時には一週間くらいの疲れがどっと押し寄せてきた。

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電車に乗り込むとやけに熱く見つめ合う男女がいたので思わずたじろいでしまい、二人から少し離れた場所に陣をとって本を読む。 金曜日だから本当は映画でも見に行きたかったが、飲酒のせいか前夜はあまりぐっすりと眠れたわけでなく、上映中にうつらうつらする予感がしたのでそのまま帰ることを決める。まあそもそも今はWordPressの改修に熱中しているから、映画を見る気分ではないというのもある。 随分と楽しく(ゆっくりと)読んできた蓮實重彦の『夏目漱石論』だが、今日はなぜだか文章が頭に入ってこない。多分疲れているのだろう。数行読んだだけで読書を断念し、本をコートのポケットに突っ込むとチラチラと周囲を観察する。 視線を横に向けると、背の高い男性が斜め下に真っ直ぐに視線を向けている。その向かいには、男性の視線と一致する角度で斜め上を眺める女性の姿。両者の視線は全くブレることなく、ほとんど完全な直線を描いて空間に固定されている。 この二人は見つめあっているわけではなかった。たまたま向かい合った男女がスマホを眺める視線が一致したというだけなのだ。見下ろすようにしてスマホの画面に集中する男と、スマホを掲げてその画面を凝視する女性。何せ二人はお互いの目を見ているわけではないのだから、恥ずかしい思いなど抱くこともなく、ただ二台の精密機器を介して視線の一致が仮構されているにすぎない。 気が向いた人はこの日記をPCで見てください。面白いよ。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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