騒がしさは消えない

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MIYASHITA PARKの中に渋谷横丁というフードコートがあって、ちょっとその横を歩いてみる。きれいになった上野というか、画一化されたゴタゴタみたいな趣のある一帯。23時近くだったので閉店準備を進めているお店が多く、飲み会終わりの記念写真を撮っている人たちがたくさんいた。

無数の声が潰れて雑音と化す騒がしさの中で、ふと「死んだ人間の臭いを嗅いでみたい」という言葉が聞こえてくる。驚いて振り返ってみると、どちらかというと静かに飲んでいる男たちの一人が発言したらしい。立ち止まってその会話を聞いてみたかったが、それはあまりに不審だから歩みを止めることはできない。酔っ払いが集まる空間は不思議な言葉で溢れているものだと思う。

横丁の入り口では、まだ未成年くらいの若い男たちが戯れあっている。その彼らに対して「渋谷区は禁煙です」と絶えず繰り返す声を差し向ける大人の姿。その奥はスーツを着た男が倒れ込んで、地面に顔を埋めていた。空間自体は規格化されていようとも結局人が集まればゴタゴタとした混沌がやってくるのだと思うと、世界は捨てたものではないと思う。

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一ヶ月くらい前に中断していた脚本の続きを書こうとしているのだが、いささか時間が経っていてあまり入り込めずにいる。 停滞。まあこういうことはよくあることなのだけれど、ちょっと気分一新、ということで書き方を色々と変えてみようと思い立った。そこで何となくUlyssesというテキストエディタを導入してみる。この日記もUlyssesで書いている。 とはいえまだその利点がどこにあるのかはあまりわかっていない。ただ僕のmacはそろそろ限界に近く、ブラウザ上で文章を書いているとすぐに異常発熱して文字入力に支障をきたすようになっていたので、Ulyssesのサクサク感には満足している。ただのメモだとどうしてもあまりテンションが上がらないが、このUIはとても好き。文章を書きたいと思えるだけでも、まあ価値があるとは思う。 久しぶりに祖母の家に行った。いつも通り、美味しいお肉をご馳走してもらう。 祖母は一度喋ると口がとまらないタイプの人。話の一貫性みたいなものに価値を見出していない点は、僕と似ているような気もする。悪口みたいな噂話が多い。 「○○さんちの息子さん、△△大学なんだって。ほら、○○さんって東大でしょ。ねえ。頭の良さは似なかったんだねえ。あんまり顔が良くないところだけ似ちゃって」みたいな感じ。まあ実際はここまでひどいことは言っていない。それに祖母のことは好きなので、悪口を言っているみたいになるのは避けたい。 今日はその祖母の話の中に、ちょっと深刻な話があった。それをここで書くのは違うと思うので、書かない。物語の主題になるようなエピソード。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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