幻の野菜

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ずっと引きこもって作業をしていたので、気分転換をしようと買い物に行く。ちょっと散歩もしたいということで、普段は通らない道とかを通ったりする。

いつも行く駅前のところとは別のスーパーは、やはり品揃えや価格帯も異なっており面白く、ついつい余計な買い物をしてしまう。イタリアンパセリが100円だったのでカゴに入れ、アスパラも安かったので購入。そんなふうに野菜コーナーを物色していると、のらぼう菜という野菜が目に入る。

時折実家でおひたしなどにして食べていたが、自分で買ったことはない。古い記憶を呼び返してみると、ちょっと苦味があって、茎の柔らかい野菜だったような気がする。イメージとしては菜の花に近いが、単に菜の花の記憶がのらぼう菜の記憶を塗り替えているのかもしれない。

これはちょっと試してみたいと思う。しかしそんなに野菜を買ってもすぐには食べきれないし、肉や魚介もカゴに入れた上で再検討すべきだと考え、一度野菜コーナーを離れてベーコンとタコをピックアップし、オリーブオイルやトマト缶などを補充して再び野菜のあるエリアに戻る。

戻った時にはもう決めていた。のらぼう菜を食べてみようと。家にない食材はなんだとか、明日の夕飯をどうしようとか、まあそんなことを考えながら食材を見ていても、頭の片隅にはのらぼう菜のことがずっとあったのだ。

そうして僕は野菜コーナーに並ぶ濃い緑色の野菜をカゴに入れ、レジに向かう。家に帰り、買った食材を冷蔵庫に並べていく。

のらぼう菜だと思っていた野菜は、ほうれん草だった。

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夕食後、ふと思いついてNHKラジオのロシア語講座を聞く。 最近はもうロシア語(というより語学全般)とは疎遠になってしまっていて、今日をきっかけに語学をやる習慣を身につけたい。こんなことを思ったのはもう百回をとうに超えている。 短い会話を聞いて、ただ音読するだけ。最初は言葉がスラスラと出てこないのだが、繰り返しているうちに次第に興に乗ってくる。大体のフレーズをほとんど反射で言えるようになると、シャワーを浴びて、風呂場で下手くそに歌うみたいに、声を張り上げ時には身振りを交えてその会話を反復する。これが結構楽しい。 語学が苦手、というよりあんまり好きではないことが自分の選択肢を狭めてしまっているような感覚がずっとあって、なんとかその思い込みを払拭できるように続けていきたい。日記と語学、理想を言えば筋トレの三種が生活に揃えば、それはなんと素晴らしくストイックな生活だろうか。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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