PTAについてがっつり書いてみたい

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夜、ポール・トーマス・アンダーソンの『ファントム・スレッド』を見る。

個人的にはオールタイムベスト級の大傑作だった。ストーリーも面白いが、こんなにも職人的で正確なつなぎで画面を連鎖させておきながら、大切な場面では抜群に魅惑的なショットを見せてしまうバランスがすごい。

しかしこの良さはある意味では語りにくいものだとも思う。この映画の美点は、やはりあくまで「正確さ」に帰せられるものであって、特筆すべき瞬間を挙げようとすると「あれ、どこがいいと思ったんだっけ」と考え込んでしまう。初期PTA的な過剰な華麗さは抑え気味だし(といってもラストシーンとかを見れば問題なく味わえるわけだが)、映画全体のサスペンスは主人公の「気難しさ」が支えているのみで、まあ淡白な印象を与えなくもない。

だからこの映画を正しく語るためには、古典的な映画との比較、というよりはむしろ類同性を指摘することが最良なのだろうと思う。それくらい完璧に近い。何かを語るためのきっかけとなる隙がない。

ヴェンダースの映画に見られる「ぎこちなさ」とか「甘さ」みたいなものは、ある意味で批評的な言葉を触発するものなのだろうなと思う。だってヴェンダースについての文章って多すぎやしませんか。

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京都に来た。しかし昨晩村屋でグダグダと飲酒してしまったせいか、どうも身体が重く午前中を棒に振ってしまう。 泊めてくれている友達と、昼ごはんにトマトラーメンを食べに行く。道中鴨川を自転車で漕いでいると、昔よく見たサークルの一団が練習をしていて、懐かしい気持ちになる。風が涼しい。十月の三連休を京都で過ごさない人間は損をしていると確信する。 鴨川でピクニックをする鴨たち 夕方くらいに、なんとなく一乗寺に向かう。4年間住んでいた家の近くをゆったりと散歩し、恵文社を訪れる。最寄りの本屋が恵文社だったのは、どう考えても奇妙な事態だと思う。 素性も知れぬ人たちが出しているZINEを立ち読みし、今の自分がどうしようもないくらい何もしていないことを痛感した。懐かしい感覚。毎週恵文社に通って、こうした思いを抱いて帰っていた——その日々を夜道の暗さとか風の冷たさとかと一緒に思い出して、自分が過去を取り返したような錯覚を抱く。しかしそれはもちろん過去ではないし、今の僕は何もできていない自分を若さのせいにして受け入れていいほどの年齢ではない。 では何から始めようか。多分まず最初にやるべきことは、友達を誘うこと、これに尽きると思う。何日後に誰にどう話しかけるのかをきちんとスケジュールして、その日に向けて準備をする。そこから始める。 明日は京都音楽博覧会に行く。くるりの主催するフェス。楽しみ。今晩うっかり楽しくなって夜更かししすぎないように気をつける。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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