PTAについてがっつり書いてみたい

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夜、ポール・トーマス・アンダーソンの『ファントム・スレッド』を見る。

個人的にはオールタイムベスト級の大傑作だった。ストーリーも面白いが、こんなにも職人的で正確なつなぎで画面を連鎖させておきながら、大切な場面では抜群に魅惑的なショットを見せてしまうバランスがすごい。

しかしこの良さはある意味では語りにくいものだとも思う。この映画の美点は、やはりあくまで「正確さ」に帰せられるものであって、特筆すべき瞬間を挙げようとすると「あれ、どこがいいと思ったんだっけ」と考え込んでしまう。初期PTA的な過剰な華麗さは抑え気味だし(といってもラストシーンとかを見れば問題なく味わえるわけだが)、映画全体のサスペンスは主人公の「気難しさ」が支えているのみで、まあ淡白な印象を与えなくもない。

だからこの映画を正しく語るためには、古典的な映画との比較、というよりはむしろ類同性を指摘することが最良なのだろうと思う。それくらい完璧に近い。何かを語るためのきっかけとなる隙がない。

ヴェンダースの映画に見られる「ぎこちなさ」とか「甘さ」みたいなものは、ある意味で批評的な言葉を触発するものなのだろうなと思う。だってヴェンダースについての文章って多すぎやしませんか。

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仕事帰りにふと本棚が欲しくなり、色々と調べる。最初に検討したのが無印良品のスタッキングシェルフ。 5×2のボックスを横並べにして、壁面に置く。そこに今の本棚には入っていない本や漫画、ウイスキーの瓶などを(洒落た感じに)並べ、余ったスペースに中身の見えない箱を設置して下着類や小物を置く。美術展のカタログなんかを置いたらそれはそれは最高の部屋になる。 難点は高いこと。本棚に三万円はかなりきつい。しかし色々と調べるうちに、この棚を設置することが唯一の正解であるように錯覚し始めてしまう。どうしようか。 そう思って他のブランドの似た商品を探してみるが、結局実物に触れてみないと違いがわからない。安い方を選んで正解だったことがあまりないので、ここは腹を括って無印のやつにするべきかと思う。 ふと嫌な予感がする。この棚を設置するスペースは、僕の部屋に残されているだろうか。余裕だと思っているあの場所は、本当に2メートルの幅を持っているだろうか。 しかし僕の部屋にはメジャーがない。とすればできることは長さがわかるものをその場所に実際に置いてみることしかない。家具の幅を調べるのは面倒、となれば僕自身が体を張ってやろう。正確に長さを把握しているもの——それは僕自身の身長だ。 というわけで、空いたスペースに寝そべってみると、ほとんどぴちぴち。だいたい僕の身長プラス5センチくらいのスペースということになる。僕の身長をxとすると、x+5>200であれば良いということだ。 195cm。そんなにあるわけがない。藤浪でぎりだ。そもそもこんな計算式を持ち出す必要もない。しかし逆にいえば藤浪ならばこの本棚を設置することができる……みたいな方向に話を進めてわけのわからない語りをしたくなるが、そういう冗談はもうやめにする。とにかく、この本棚は置けない。じゃあ買うわけにもいかないので、カートに入れた棚を戻す。三万円得をした気分になり、あいも変わらず自分は単純であることに嫌気が差してしまう。 結局IKEAの棚を購入。どちらにせよ本棚問題は早々に解決しないといけない。段ボール箱に入ったままのワンピースが、実際のところ何巻まで揃っているかをそろそろ把握しなければならない。 ↓これの4×2を買った。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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