贅沢なカレー

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ゆっくり起きられる日も今日が最後かと名残惜しさを覚えつつ、十時くらいに寝床から這い出す。簡単に日記を書いて、コメダ珈琲へ向かう。デカいカツサンドを食べ、デカいコーヒーを飲むながら川上未映子の『黄色い家』を読む。

隣の席にやってきたおじいちゃんが、頼んだコーヒーに一口も手をつけず十分くらいで席を立った。本当の贅沢とはこういうことなのだと思う。

三連休はじっくり休むつもりだと腹を決めていたから、ダラダラとネットサーフィンをしている時間にも罪悪感があまりない。今日はどういう一日にするのかを決めてからその一日を過ごすことが、幸福につながっていくのだという当たり前の事実を再確認する。

カレーを大量に作る。一人暮らしをしていたのは合わせて四、五年くらいだが、まともにカレーを作ったのはこれが最初だ。大量に作ってしまったポトフに飽きがきてカレー粉を入れたことはあるが、最初からカレーを作るぞと決めてかかったことはない。カレーは好きなのに、なぜなのだろう。

小さい頃、好きな食べ物といえばカレーを挙げる同級生が大半を占めていた時期に、僕はカレーを一番好きな食べ物だと思っていなかった。父親が取引先からもらってくるアワビの煮付けが一番好きだった。そのことが関係しているかとも思ったが、カレーを作らない理由は多分根菜の調理がめんどくさいからだ。

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起床時に感じる痛いくらいの寒さが突然和らぎ、花粉の季節が始まったことを意識せざるをえない。目は痒く、ずっと鼻詰まりだから喉がざらついていて気分が悪い。春は嫌いだ。「生暖かい」という若干の気持ち悪さを含んだ表現は、単に暖かくなったことを言祝ぐだけでないこの感情を的確に表してくれるような気がするが、それはただの穿った見方だろうか。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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