カード決済をする勇気

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昼ごはんにローソンで麻婆丼を購入。

職場にも電子レンジがあるのだが、普通のやつなので温めるのに時間がかかる。今日は列も並んでいないから、1600wの電子レンジで素早く熱々にしてもらおうと決める。

その間に会計。いつも通りクレジットカードを取り出し、差し込み口に入れようとすると、カードにWi-Fiのようなマークがあることに気がつく。最近新しくなったばかりで気がついていなかったのだが、タッチ決済用のマークと考えるのが妥当だろう。

「カードでお願いします」と告げてから数秒間、そのマークをじっと見て思案する。当たり前のごとくタッチをして、「それタッチ決済できないですね」と言われるのは恥ずかしい。とはいえ挑戦を先延ばしにして技術の進歩を享受しないのは、時代についていけなくなった老人との誹りを受けても仕方がない。

電子レンジに麻婆丼を入れ、再び僕に正体した店員が怪訝な表情で僕を見つめる。カードを持ったまま、しかめ面で固まっている男に不信感を抱いているのだろう。それに気配で察するに、僕の後ろには新しく一人の客が並んでいる。

大体恥ずかしいからなんだというのだ。会計がスムーズにいかなかったからといって、別にそれで僕のことを軽蔑する人間などいないはずだ。僕は勇気を出して、そのカードをカードリーダーの上にそっと置く。

一瞬で決済が終了した。そうして僕は新しい技術を自分のものにしたのである。購買意欲もマシマシである。


そういえば一緒にサラダチキンも買ったのだった。食べるのを忘れて職場の冷蔵庫に入ったまま。

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長い間眠ったがゆえの疲労感とともに目を覚ますと、近くから人の声が聞こえてくる。同じ建物の別の階から届いているような具合で、それはちょうど実家の二階から一階で話している家族の声を聞いているような感じだ。 生暖かい空気の中で、ぼんやりと色々なことを思い出す。そういえばもう暑くなってきたということで、窓を開けて寝たのだった。よく聞いてみると、声はアパートの前を通り過ぎる若い家族連れの声だ。 休日であることの特権を大いに行使し、ベッドの上で途方もなく無益な時間を享受した後、ようやく身体を起こし、カーテンを開けると、網戸のこちら側にカメムシがとまっていた。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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