僕はウソップ

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また日記をサボってしまった。こういうのは癖になるから、今後ないようにしたい。

誰に対してなのかわからない言い訳をすると、引っ越し直前であるせいで、色々と環境が変わったせいもあると思う。部屋に机と椅子がない。もちろんせっかく買ったモニターもない。

23時くらいにPCの前にちょこんと座り、さて何を書くかと1日を振り返ったりしていたのは、それがしたい行為なのだからではなく、単に習慣であったからだという確信を強くする。ものすごくありきたりな結論だけれど、人が何かを継続するには、まずその行為を生活の中に組み込む必要があるのだと思う。


荷物を搬出する必要があったので、有給をとって一日の半分くらいは家でじっと業者が来るのを待っていた。しなければならないことはいくつかあったはずなのに、先の予定が決まっているとどうもうまくエンジンがかからない。やはり必要なのは無限に思える空白の時間だ。

で、業者が来たわけなのだけれど、ここで一つトラブル発生。運んでもらおうと思っていた机が、ビスがなくなってガタついているという理由で運搬不可になってしまったのだ。輸送過程で壊れてしまったら責任が取れないからだという。まあ至極真っ当な理由だと思う。しかしこの机は、昨日母親と死に物狂いで二階から降ろしたもの。机の横幅とほとんど同じ幅の階段を(しかもその道は曲がっている!)、親指を三度ばかり挟みながら汗だくになって滑らせていく。

間違いなく、この机を再度二階に上げることは不可能なのだ。とすればこれは昨日の努力がパーになるだけでなく、むしろマイナスになったということ。家具移動は時にして不可逆なのだ。

困った。まあちょっと銭を使えば、新居に新しい机を導入することはできる。それは問題がない。しかし散らかったリビングに、ついうっかりどんと腰を据えてしまったこの机をどうすれば良いのか。実家のリビングは、悲しいかなこの机を求めてはいない。

少し母親と話し合った挙句、この机を処分することに決めた。小学生の頃から使っていた机で、少しは愛着があるから悲しい。まあこの机で勉強をしたことはほとんどないのだが。一番頻度高く使ったのは、僕が社会人になったこの半年くらいのこと。

やっぱりちょっと悲しいね。こんな人間じゃ断捨離なんてできやしない。僕はウソップだ。

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『ゴーストワールド』が見たい。 最近ほとんど映画館に行けていないから、1年くらい楽しみにしていたいくつかの映画を見損ねている。『キリエのうた』なんて絶対見にいくはずだったのに、いつの間にか公開が終わってしまっている。『首』も見たいが、このままだとずるずる先延ばしにしてしまうだろう。 それもこれも、映画館が遠いからだ。京都にいる頃には自転車を十分程度走らせれば出町座や京都シネマ、アップリンク京都にMOVIXなど、毛色の異なる映画館にすぐ行くことができた。まだ布団にくるまっているけれどあと30分で始まってしまう、みたいなことになっても、ちょっと慌てて顔を洗って適当な服に着替えて家を飛び出せば、なんだかんだ開演には余裕で間に合っていた。 それなのに、今は映画館が遠い。電車に乗らなければならないというのが本当にめんどくさい。仕事終わりにふらっと立ち寄るのもありだが、やっぱり労働は体力を使うので、どうにも気乗りがしなくなってしまう。そんなマイナスを抱えたまま映画館に行くのは義務みたいで癪だから、いつもトボトボと家に帰る。 しかし、『ゴーストワールド』はなんとしても見たい。どこで知ったのかは覚えていないけれど(雑誌かな?)、かなり前からいつか見たいと思っていた。 青春映画はいつだって正しいし、良い映画の温度感を一度経験してしまえば、寒々とした夜道が心地よい痛みに変わる。退屈な生活の中に持ち込まれるささやかな出来事がきちんと2時間の映画になるという事実を知るだけでも、僕たちが実際に生きている時間も映画みたいに輝くはずだ。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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