article PTAについてがっつり書いてみたい 夜、ポール・トーマス・アンダーソンの『ファントム・スレッド』を見る。個人的にはオールタイムベスト級の大傑作だった。ストーリーも面白いが、こんなにも職人的で正確なつなぎで画面を連鎖させておきながら、大切な場面では抜群に魅惑的なショットを見せて... 2024.02.14 article
article プルースト創設の大学 大森のブックオフを一時間ほどぶらぶらと散策していると、『失われた時を求めて』が三冊ずつ全巻揃っていることに気が付く。あとヴァレリーやネルヴァルらの著作も三冊ずつ。合計四、五十冊ほどのフランス文学が、それほど広くもない店舗に並んでいる。どれも... 2024.02.13 article
article 週末嘘日記 part1 金曜の夜ということもあって、食後の時間をだらだらとスマホを見て過ごしてしまう。張りのないままこのまま夜を伸ばしていき、翌朝目が覚めるともう昼手前で後悔する予感がする。「本当はダメって書いてあるけどな」そう思いながらも、夜中のうちにゴミを出し... 2024.02.10 article
article 短い予告編 仕事終わり、駆け足で電車に飛び乗って渋谷へ向かう。ヒューマントラストシネマ渋谷でビクトル・エリセの『エル・スール』を見るのが目的。客入りは八割くらい。一人で着ている人が大半で、皆無表情で座席に着く。スーツを着ている人こそ少ないものの、仕事終... 2024.02.09 article
article 七年ぶり ポール・オースターの『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』を読み始めた。市井の人から物語を集め、それらを精選した掌編集だ。ラジオ番組での企画がもとで、「現実」に起こった「非現実」的なお話が集められている。これがかなりいい。フィクションが作... 2024.02.08 article
article うたた寝の地点 カウリスマキの『パラダイスの夕暮れ』を見る。初見のつもりで見始めたら、あらゆるショットがどれも既知のものであるように思え、カウリスマキの映画はどれもこれも似ている、などと雑な結論を下しそうになったが、よくよく記憶を掘り返してみると一年ほど前... 2024.02.07 article
article 寒さに慣れる(ふりをする) 仕事終わりには結構雪が降っていた。この冬にちゃんと目にした雪はこれが初めてだ。風も強く、ちょっとした吹雪だなと思ったが、「こんなもの雪が降ったうちには入らないよ」だとか「これで吹雪と思ってるとか笑える」とか言ってくる脳内の雪国人が馬鹿にする... 2024.02.06 article
article 泣いたふりでも悲しかったりする 洗濯機の配送時間が16時〜18時であったこともあり、絶妙に外出する気にならず、ちょっとスーパーに行ったくらいでほとんど一日中引きこもっていた。午後に何をしていたかの記憶があまりない。日が暮れ始めた時間に洗濯機が届く。自力で設置作業を行い、試... 2024.02.05 article
article 『明るい部屋』からの引用 《私生活》とは、私が一個のイメージ、一個の客体と化していない空間的、時間的領域のことにほかならない。私が擁護しなければならないのは、私が一個の主体として存在する政治的権利なのである。ロラン・バルト(花輪光訳)『明るい部屋』、みすず書房、19... 2024.02.03 article
article 無人のまま引退などできない 同僚から洗濯機を貰い受けることになったので、引っ越してから三ヶ月あまり、あとはガスコンロを購入すればこれで一通りの家具が揃ったことになる。そういうわけで、昨日も何度目かのコインランドリーに行ったのだが、おそらくはこれが最後になる。無人の店と... 2024.02.02 article