寒さに慣れる(ふりをする)

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仕事終わりには結構雪が降っていた。この冬にちゃんと目にした雪はこれが初めてだ。風も強く、ちょっとした吹雪だなと思ったが、「こんなもの雪が降ったうちには入らないよ」だとか「これで吹雪と思ってるとか笑える」とか言ってくる脳内の雪国人が馬鹿にする声が聞こえてくるので、駅から家に帰るまでの道中、シャリシャリと雪の混じった水たまりに足を突っ込もうとも意に介せず、いつもより背筋を伸ばして余裕綽々の表情を取り繕いながら大股で歩く。家に着くや否や浴槽にお湯を張り、それを待つ間ブルブルと震える僕の体を電気ストーブで温めていたら、どうにもその場から離れられなくなり、お湯が少し溢れ出してしまった。

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また日記をサボってしまった。こういうのは癖になるから、今後ないようにしたい。 誰に対してなのかわからない言い訳をすると、引っ越し直前であるせいで、色々と環境が変わったせいもあると思う。部屋に机と椅子がない。もちろんせっかく買ったモニターもない。 23時くらいにPCの前にちょこんと座り、さて何を書くかと1日を振り返ったりしていたのは、それがしたい行為なのだからではなく、単に習慣であったからだという確信を強くする。ものすごくありきたりな結論だけれど、人が何かを継続するには、まずその行為を生活の中に組み込む必要があるのだと思う。 荷物を搬出する必要があったので、有給をとって一日の半分くらいは家でじっと業者が来るのを待っていた。しなければならないことはいくつかあったはずなのに、先の予定が決まっているとどうもうまくエンジンがかからない。やはり必要なのは無限に思える空白の時間だ。 で、業者が来たわけなのだけれど、ここで一つトラブル発生。運んでもらおうと思っていた机が、ビスがなくなってガタついているという理由で運搬不可になってしまったのだ。輸送過程で壊れてしまったら責任が取れないからだという。まあ至極真っ当な理由だと思う。しかしこの机は、昨日母親と死に物狂いで二階から降ろしたもの。机の横幅とほとんど同じ幅の階段を(しかもその道は曲がっている!)、親指を三度ばかり挟みながら汗だくになって滑らせていく。 間違いなく、この机を再度二階に上げることは不可能なのだ。とすればこれは昨日の努力がパーになるだけでなく、むしろマイナスになったということ。家具移動は時にして不可逆なのだ。 困った。まあちょっと銭を使えば、新居に新しい机を導入することはできる。それは問題がない。しかし散らかったリビングに、ついうっかりどんと腰を据えてしまったこの机をどうすれば良いのか。実家のリビングは、悲しいかなこの机を求めてはいない。 少し母親と話し合った挙句、この机を処分することに決めた。小学生の頃から使っていた机で、少しは愛着があるから悲しい。まあこの机で勉強をしたことはほとんどないのだが。一番頻度高く使ったのは、僕が社会人になったこの半年くらいのこと。 やっぱりちょっと悲しいね。こんな人間じゃ断捨離なんてできやしない。僕はウソップだ。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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