七年ぶり

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ポール・オースターの『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』を読み始めた。市井の人から物語を集め、それらを精選した掌編集だ。ラジオ番組での企画がもとで、「現実」に起こった「非現実」的なお話が集められている。

これがかなりいい。フィクションが作り出されるそのきっかけとなるようなエピソードたち。確か受験勉強をしていた頃に地元の本屋で買ったのだから、もう7年ほど本棚で眠っていたことになるのだが、もっと早く読んでおけばよかったと後悔している。日記も飽きてきたところがあるし、似たようなことが僕にできないかと考えたりもする。

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だいぶ暖かくなってきて、半袖短パンで布団にくるまる気持ちよさを思い出す。 心地よさとは「こたつの中で靴下を脱ぐこと」と「短パンで分厚い布団にくるまること」だと信じてやまない。前者はこたつさえあれば冬のあいだ中いつでも実践可能だが、後者は春と秋のごくわずかな時期でしか味わえない贅沢な喜びだ。 程よく寒い室内で、疲れた身体をベッドに横たえて掛け布団の滑らかな感触を肌で感じる。今日は体調も悪くないし、ちゃんと仕事もしたし、帰ってからすぐ夕飯を済ませて風呂に入ったし、ずっとみたかったジャック・ベッケルの『エドワールとキャロリーヌ』も見たし、筋トレとロシア語の勉強もちょっとした。随分と充実した一日で、その終わりがこんな風に涼しさと寒さのちょうど真ん中みたいな気温で嬉しい。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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