いつも通り職場で昼食を食べた後、あたりを気ままに散歩する。朝は痛いほどに冷たかった風も比較的ましになっていて、確かに少し寒いが食後の眠気を覚ますにはちょうど良い心地よさ。十分ほど歩いてさあ仕事を再開するかと席についてパソコンを開くと、薄々わかっていたことだが強烈な鼻のむず痒さがやってきて、その勢いでほとんど人でも殺せそうなくしゃみが止まらずに出てしまう。眼精疲労と花粉で痛めつけられた目は涙で潤み、どうして俺がこんな目に、とそのまま号泣してやり場のない怒りを四方に発散させてやろうとも思うが、十二分に大人である僕はその感情を抑制して涙と鼻水にまみれたままパソコンを開く。春は憂鬱だ。
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