背が高くなれば本棚が買える

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仕事帰りにふと本棚が欲しくなり、色々と調べる。最初に検討したのが無印良品のスタッキングシェルフ。

スタッキングシェルフセット・5段×2列・オーク材 | 無印良品
使い勝手に合わせて、縦にも横にも広げられるスタッキングシェルフのお求めやすいセットです。本棚、飾り棚だけでなく、間仕切り棚としても使えます。暮らしに合わせて、パーツの追加、組換えもできます。※この商品には突板を使用しています。収納棚・収納ラック・シェルフ・カラーボックスの通販なら無印良品 公式ネットストア。

5×2のボックスを横並べにして、壁面に置く。そこに今の本棚には入っていない本や漫画、ウイスキーの瓶などを(洒落た感じに)並べ、余ったスペースに中身の見えない箱を設置して下着類や小物を置く。美術展のカタログなんかを置いたらそれはそれは最高の部屋になる。

難点は高いこと。本棚に三万円はかなりきつい。しかし色々と調べるうちに、この棚を設置することが唯一の正解であるように錯覚し始めてしまう。どうしようか。

そう思って他のブランドの似た商品を探してみるが、結局実物に触れてみないと違いがわからない。安い方を選んで正解だったことがあまりないので、ここは腹を括って無印のやつにするべきかと思う。

ふと嫌な予感がする。この棚を設置するスペースは、僕の部屋に残されているだろうか。余裕だと思っているあの場所は、本当に2メートルの幅を持っているだろうか。

しかし僕の部屋にはメジャーがない。とすればできることは長さがわかるものをその場所に実際に置いてみることしかない。家具の幅を調べるのは面倒、となれば僕自身が体を張ってやろう。正確に長さを把握しているもの——それは僕自身の身長だ。

というわけで、空いたスペースに寝そべってみると、ほとんどぴちぴち。だいたい僕の身長プラス5センチくらいのスペースということになる。僕の身長をxとすると、x+5>200であれば良いということだ。

195cm。そんなにあるわけがない。藤浪でぎりだ。そもそもこんな計算式を持ち出す必要もない。しかし逆にいえば藤浪ならばこの本棚を設置することができる……みたいな方向に話を進めてわけのわからない語りをしたくなるが、そういう冗談はもうやめにする。とにかく、この本棚は置けない。じゃあ買うわけにもいかないので、カートに入れた棚を戻す。三万円得をした気分になり、あいも変わらず自分は単純であることに嫌気が差してしまう。


結局IKEAの棚を購入。どちらにせよ本棚問題は早々に解決しないといけない。段ボール箱に入ったままのワンピースが、実際のところ何巻まで揃っているかをそろそろ把握しなければならない。

↓これの4×2を買った。

KALLAX カラックス シェルフユニット, ハイグロス ホワイト, 77x147 cm - IKEA
KALLAX カラックス シェルフユニット, ハイグロス ホワイト, 77x147 cm. 縦置きでも横置きでも、壁に寄せても部屋の真ん中に置いても。KALLAX/カラックス シリーズはあなたの好みやスペース、予算、ニーズに合わせて活躍します。引き出しや棚板、ボックスやインサートで使いやすくカスタマイズしてください.
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出張で大阪に行った。本当は前日から京都で遊ぼうと思っていたのだが、どうもテンションが上がらず当日の新幹線に乗る。 品川駅を使ったのはこれが初めてだ。東京駅に随分と慣れてしまっているので、改札をくぐり抜け、階段を降りた先にプラットホームがあるのに慣れない。エスカレーターで昇っていくあの浮遊感が、ちょっとした長旅の期待感を高めてくれるのだと初めて気がついた。しかしそれはこれが旅行ではなく、あくまで出張であるからなのかもしれない。 帰り。新幹線のチケットを買うと、区内で使える乗車券がついてくる(ついてこないように買うことは可能なのか?)。しかしなんやかんやそれをうまく使えたことがなく、ものは試しということで、品川駅から大森までJRに乗ってみる。時間とか歩行距離とかを考えるとJRに乗る理由は全くない。まあどうしても本屋に行きたかったのに、品川駅の近くにある本屋が駅到着時間ちょうどに閉まってしまう、という理由もあった。 本屋に行きたい理由はいつも無理やり拵えたもので、本当のところはただ行きたいだけ。昨日拵えた理由は、この前出版された『構造と力』の文庫版を買うというもの。しかし本屋に行ってちらと件の本を立ち読みし、あたりをうろちょろしているうちに買いたいというモチベーションがなくなってしまう。 僕はそんなに思想に強いわけではない。強いていうならベルクソンを関心のベースにしているだけなのだが、最近は計画なく本を乱読するのに飽きてしまっているというか、自分の専門性をどこかで持たなければならないという強迫観念のようなものがあって、それで新しい本に手を出すのに少し臆病になってしまった。ベルクソンの『記憶理論の歴史』という講義録が置いてあり、とても惹かれる。しかし今日買ったところですぐには読まないだろうということで、結局なんの本も買わずに本屋を出る。 初めて降りた駅から、歩いて家に帰る。しかし諸般の事情で、今僕はスマホを持っていない。駅の地図を見ながら恐る恐る大きな道を道沿いに歩いていくと、すぐに知った景色が見えてくる。 すぐに情報を知り得ないことに、臆病になりすぎていると思う。
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