ちいさな猫に、おおきな言葉を

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映画美学校の脚本コースに通っていたときに、課題として書いた作品です。2022年の夏くらいに書きました。映像化するとだいたい60分くらいだと思います。

あらすじ

御子柴高校演劇部は、学校内に自前の劇場を持ち、その場所を中心として精力的に活動していた。そんなある日、劇場の取り壊しが突如として通告される。
一方的な決定に反対するべく立ち上がった、現役の演劇部員たちと卒業した演劇部の元部長。彼らはさまざまな工夫を凝らして、劇場の取り壊しをやめさせようとする。
しかし、思いの強さは人それぞれ違った。
はじめは一つだったはずの目的が、次第にすれ違っていく。無謀な戦いの果てに、彼らが行き着く先は——。

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どうしてももう帰路につかねばならない時間になり、最後の抵抗をやめて友人とともにトボトボとバス停へと向かい、京都駅へと向かう206番のバスを待つ。 マルシン飯店に並ぶ十数人を視界の片隅におさめながら、明日からの労働やら東京での生活やらを思ってひどく憂鬱な気分になる。気持ちをリフレッシュしようと京都にやってきたのに、京都での生活がまだ続いているような錯覚を抱いてしまって辛くなる。 すぐにバスがやってきてしまう。やはりこの三日間は幻想だったのかと悲しい気持ちを抱きながら、バスに乗り込もうと一歩踏みだす。 しかしよく見ると、目の前で停止しているその大きな車は、何やら二桁の番号を背負っている。行き先は上賀茂神社。どうやらこのバスは四条あたりで南下を切り上げて、再び北へと引き返してくる予定らしい。 このまま間違ったバスに乗ってしまおうか。ふとそんな誘惑が脳裏に去来する。絶対に東京に戻れない時間に上賀茂あたりでポツンと取り残されて、色々なことを放り投げて京都で暮らしてしまおうか。その方が楽しい生活を送れるはず——。 でも僕にはそんな勇気などない。「危なかった」と、さもこのバスに乗らなかったことが正しいことであるかのように口走り、続いてすぐやってくる206番を待ってしまう。マルシンに並ぶ列に、動いた形跡はない。 東大路通を疾走するバスの車窓から、この窓越しにしか見たことのない幾つもの景色を眺め、さっきの選択は本当に正しかったのかと訝しんでいると、ふと明日の仕事のことが思い出されてしまい、いつの間にか僕は東京にいる。
山口宗忠|Yamaguchi Munetada

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